管理栄養士ママの補完食×BLW ー補完食って?ー

最近よく目にする補完食とBLW。
わが家では、むすめ氏生後5カ月から【補完食×BLW】で離乳食を開始!

管理栄養士で大手食品メーカー勤務の私が、むすめ氏と実践中の【補完食×BLW】について、
実際にやってみての経験談をシェア&根拠に基づき解説していきます!

まずは補完食について。

補完食って?

補完食は、WHO(世界保健機関)が提唱する離乳食のことで、“母乳に加えて、他の食べ物を与えること”と定義されています。

従来の離乳食との違いは、成長に伴い母乳(・育児用ミルク)だけでは不足する栄養素を補うことに重きをおいていることです。

調べていくと科学的根拠に基づいた理にかなったやり方だと感じ、離乳食開始時から取り入れて進めています🐣

従来の離乳食との主な違いは?

従来の日本の離乳食と補完食の主な違いは…

<従来の日本の離乳食>

1.赤ちゃんに食べ物に慣れさせることに重きを置いている

2.日本の食文化が反映されている&馴染みがある

3.決まりごとが多くてめんどうくさい ※これには一部誤解があり

補完食>

1.母乳で不足するエネルギー・鉄・タンパク質・ビタミン類を補うことに重きを置いている

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・10倍粥ではなく5倍粥の濃いお粥さんから 

・離乳食開始から2回食/日でスタート     ……など

2. 発展途上国も含む全世界におけるガイドライン
  →日本の食文化に合うようにアレンジが必要💡

となっています。

実は、日本の離乳食の考え方は変わってきている。

実は、現在の日本の離乳食は補完食の考えが取り入れられています。(厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年版)より)

また、従来の離乳食も補完食もゴールは同じで
「母乳・ミルクだけでは不足する栄養素を補い、食事で必要な栄養を摂取できるようになる」
です。
ただその過程での考え方(何に重きを置いているか)が少しずつ違うだけ。

従来型の離乳食がめんどうだと感じる人が多いのは「○カ月はかみかみ期で△gあげましょう!」のような【こうあるべき】ともとれる情報が多いことが一因と感じています。

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ネット情報も自治体の離乳食教室も少しずつアップデートされていますが、

中々追いついていないのが現状だと感じます💦

もっと詳しく知りたい人は、母子栄養協会HP記載のコラム「補完食とは?離乳食何が違う」を。
更にもっと専門的なことが知りたい方は、厚生労働省HP「授乳や離乳について」の内容も参考になると思います。

母乳では栄養が不足するの?

生後6カ月を過ぎる頃には、赤ちゃんの成長や活動量がUPすることで、母乳の栄養だけでは必要な栄養素が十分摂取できず、栄養不足になってしまうことが知られています。

【不足する栄養素】
エネルギー、鉄、タンパク質、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛、カルシウム
*:特に不足しやすい栄養素

図1:月齢12-23ヶ月児の1日の必要量の中で母乳から得ることのできる比率
引用元:WHO著,補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」,p.23

このため、特別な事情がない場合は生後6カ月頃には離乳食を開始し、不足しがちな栄養素を補う&食事に慣れてもらうことが必要になってきます。
⚠️特別な事情(早産など)や医師からの指示がある場合はそちらに従ってください!

参考情報元:
WHO著,補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」
厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2020年版)
文部科学省,日本食品標準成分表2020年版(八訂)

エネルギーはどれだけ不足する?

赤ちゃんの成長&活動量UPで必要なエネルギー量が増えます。

この為、母乳の栄養だけだと

6~8カ月で200kcal
9~11カ月で400kcal
12~23カ月で700kcal   も不足するとのこと!

図2:エネルギー必要量と母乳から得られる量
引用元:WHO著,補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」,p.4

※WHOのデータに基づいており、数値は日本の赤ちゃんに完全一致はしなさそうです。
 ただ、生後6カ月以降母乳栄養だけではエネルギーが不足しやすいことは間違いなさそうです。

鉄はどれだけ不足する?

  • 成長に伴い血液が新しく作られることで、鉄の【必要量】がUP
  • お腹にいた時にたくわえていた鉄(貯蔵鉄)を生後約6カ月までに【使い果たす】

このため、鉄に関しては母乳だけでは全く足りない状態に!
特に生後6~12カ月に最も貧血のリスクが高くなります。
※育児用ミルクは鉄が豊富に含まれているので、十分ミルクを飲めている場合は貧血のリスクは低いです。

図3:吸収される鉄の必要量と母乳から得られる量および出生時の貯蔵鉄の量
引用元:WHO著,補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」,p.5

補完食のポイント

  1. 生後6カ月頃までに離乳食開始を推奨
    ⚠️注意⚠️ 医師からの指示があればそちらに従ってください!
  2. 離乳食を開始しても、母乳・ミルクは減らさなくてOK
  3. 栄養をしっかり摂取するため、離乳食開始時点から2回食で!
    <目安>
    6~8カ月頃:2~3回食(+食欲に応じて捕食1~2回)
    9カ月以降:3~4回食(+食欲に応じて捕食1~2回)
    ※補食とは?→わかりやすく言うと”栄養価の高いおやつ”
  4. ゆるいお粥(10倍粥など)でなく、5倍粥以上の濃さ
    <目安>
    スプーンを逆さにしてもすぐには落ちないくらい
  5. 『鉄』の補給の為、早めから肉・魚などに挑戦!
    ⚠️注意⚠️
    鉄分補給に効率的なレバーですが、赤ちゃん(乳児)が毎日10g以上を毎日食べ続けるとビタミンA過剰症のリスクが。
    2~3日に1回程度に留めるのが無難。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は、離乳食の新しい考え方である補完食について解説していきました!
本業が食品ということもあり、熱量が高い投稿になってしまいました。

今回、あえて【補完食という今までとは異なるワードで離乳食の考え方をシェアすることで、
「こんな離乳食の考え方もあるのか!」と思ってもらえたらいいなと思います!

正直、離乳食の進め方や考え方って正解もないし手間もかかるしで大変ですよね。
「生後5カ月来るな~」と思った時期もありました(笑)
はじめてみると大変ではあるものの、離乳食を食べるまで成長したわが子への愛しさから
「成長の証で喜ばしい!しゃーない。がんばろ!」と思えております。

もっと知りたい・わかりにくかったなどご意見ありましたら、コメントまたはInstagramのDMなど頂ければと思います。

皆様の参考になりましたら幸いです。

おすすめの参考資料

  • 相川晴著,「赤ちゃんのための補完食入門」,2021
    わかりやすく内容が整理されている&根拠も提示されていて内容の信頼度が高い!
    “まずは”の一冊です!
  • WHO著,補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」,2006※PDFファイルへのリンクです。
    WHO本家本元の補完食の関する文献。日本語訳されているので、ネットで検索すればすぐ読めます!WHO著ということもあり、内容はグローバルな感じです。
  • 母子栄養協会HP,補完食とは?離乳食何が違う?(コラム)
    管理栄養士として「赤ちゃんのための補完食入門」を監修した川口先生のコラム。
    補完食と従来の離乳食の違いが簡潔にまとめられています !
  • 厚生労働省HP,「授乳や離乳について」
    最新の日本の離乳食の考え方に関する資料がまとまっています。
    「令和元年度子ども・子育て支援推進調査研究事業~…」の資料は内容も分かりやすく読みやすい&イラストもかわいくてほんわかします(笑)
    また、「授乳・離乳の支援ガイド(2019年)」はより専門的なことが知りたい方は是非参考にされてください。

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